2017-6-1 男女関係

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俺は当時学生で、ほぼ毎日が電車通学だった
なので当然他の常連というか顔なじみも出来る。ちょい派手めなJK集団とかくたびれたおっさんとか、密かに狙ってた綺麗めの女の子とか。

その常連メンバーの中に、いつしかイレギュラーな野郎が紛れ込んできた。イケメンだ。

イケメンはその言葉通りイケメンで、俺はこいつがあまり好きではなかった。乗ってきた瞬間にJK集団が好奇の目で騒ぎ始めるし、密かに狙ってた(以下略)がすげー挙動不審になるしで、男としてもイケメンの存在は全く面白くなかった。
つか嫌いだった。

ある日、いつもは固まってるはずのJK集団が何故かバラバラに乗車してきた。
喧嘩でもしたか?と思ったが特に気にも止めないでいると、既に乗車していたイケメンの隣に一人がそっと近寄った。
ちなみにイケメンの定位置は先に乗車し、座席を確保している俺の正面のつり革だ。

しばらくはいつもどおりガタガタと揺られていたが、突然、イケメンの隣のJKが「痴漢!この人痴漢です!」と騒ぎ始めた。そして、何故かイケメンの腕を掴んで振り回していた。
騒然とする車内。集まるJKの仲間たち。そして「私も見た!」とお決まりの展開に。

一方イケメンは冷静な顔で否定。
こういう時もイケメンはイケメンだった。ファッキンイケメン。

だが、正面に座っていた俺はイケメンが無実だということを知っている。
片手でつり革を、もう片方の手で本を読んでいたのだから当然だった。つかアシュラマンでもなけりゃ不可能だそんなもん。

電車が止まり、騒ぎを聞きつけた駅員が慌ててやってきた時、騒ぐJKより大きな声で俺は「この人やってませんよ」、とイケメンを指した。

「それ、本当ですか?」
「はい。つか俺その人の真ん前に座ってたんで。その人冤罪です」
「あー・・・、」

駅員が妙に納得した顔で頷く。
それもそうだ。俺が彼女らに粗相を働いたら罪はほぼ確定だろうが、渦中のイケメンは「イケメン」だ。
JKらには悪いが、ぶっちゃけ彼女ら程度の顔となら痴漢なんて真似しなくても付き合えるだろう。

だが、一応は話を聞かなくてはならない。駅員に言われてJK集団、イケメン、そして俺のメンツで駅員室?へ。
この時点でJK集団は青ざめた顔で、ほぼ全員がだんまりを決め込んでいた。

だが、痴漢を訴えた一人だけが冤罪を認めない。俺がいくらイケメンの両手が塞がってた事を説明しても、それはお前の幻覚だ、アンタ仲間じゃないの?女にモテないからって痴漢庇うなんてサイテー、とまぁうるさいうるさい。

このままだと平行線に突入かなー、俺も学校あるんだけどなー、と若干面倒になってきたところで、ようやくイケメンが口を開いた。

 

 

 

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